映画 悪人 感想 [映画]


昨日テレビでありました映画「悪人」。

借りようと思ってもいまだ人気作なのでずっと貸し出し中なのでした。。



それにしても…重い映画でしたね。

悪人て、なんなんだろう。
佳乃(満島ひかり)を殺した祐一(妻夫木聡)は、そりゃ勿論殺人は「悪」だけど、
祐一自体は「悪人」ではないよね。

毎日きちんと仕事して、家に帰ればじいちゃんを病院まで送迎して、楽しみと
言ったら車と出会い系で知り合った女の子と遊ぶことくらい。


その殺したきっかけだって、心配して車で送ってやろうとした佳乃に「レイプされたって言ってやる!」
という脅しによるものだし。

フツー(に見える)の女の子とガテン系金髪の男の子がいて、女の子が傷つくって「この人にレイプされました」って言われたら、勝ち目なんてないもんね。



でもだから佳乃が死んで当たり前ということはないんですよね。

佳乃にも両親がいて、きちんと愛されてて。
たとえ下のユルい女の子でも、両親は自分の娘が愛おしい。

将来結婚して、孫が出来て、幸せな未来を思い描いてたであろうことを
おもうとやるせない。

真面目すぎるくらいの両親だっただけに(なぜ娘はあんなになったんだろう)。



岡田将生扮するバカ大学生が車から蹴り出さなければこんなことにはならなかったし、
祐一が佳乃についていかなければこんなことにはならなかったし、
出会い系で佳乃に会う前に光代(深津絵里)に出会えていればこんなにとにはならなかった…。



すべてがやるせなくて息苦しい映画でした。

老婆に押し寄せるマスコミとか、田舎の老人だまして健康食品買わせる業者とか、
人が死んでるのをネタにバカ笑いしてる大学生とか…佳乃の父親の言ったように

「ずっとそのまま生きていけばいいよ」

って、私も思いました。
何かが壊れているんでしょうね。

それに気付かないまま、周りに害を及ぼして、そして自分に戻ってくることを
思いもしないまま、生きていけばいいんです。



ラスト、祐一が光代の首を締めたのは、世間に対して光代は自分が無理矢理連れて
行ったんだという精一杯のポーズなんでしょうか。
光代はずっと待っていると言ったけれど、これでさよならだと言いたかったんでしょうか。

でもきっと光代は出所するまで待っているだろうし、祐一もほんとは待ってて欲しいんだろうな。
最後の最後、目を潤ませている祐一の顔は、凄く安らかで優しい笑顔でした。





妻夫木聡と深津絵里の演技は圧巻でしたね。

最後の首絞めはふかっちゃんの顔色が真っ赤になっていって「ちょっ!だいじょぶなの??」と
心配になるくらいでした^^;


そうそう、圧巻と言えば満島ひかりのビッチ演技は相当なものです。
「それでも生きていく」でもそうでしたが、完全に役になりきれる女優さんなのでしょうね。
もっともっと色んなドラマや演技に出て欲しいです。

多分きっと、主役より準主役で輝くんじゃないかなー。



だけど人妻なのでしたw



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